カプチーノ



カプチーノを持ち上げた私の手が震えているのを

黙って観察していたのね

あとになってから 僕も震えるのはわかっていたから

カップは持ち上げなかったんだ だって

相変わらず人の悪い



つれないイタリア人の恋人に

「どこかでカプチーノを飲めるお店はないかしら?」と聞かれてふてくされたように

「I doubt it」(さあね)と答えたイギリス人の彼

NHKの英会話教材だったか この英語は一発で覚えましたね



いつかミラノの広場のバールでカプチーノを頼んだのが

チャップリンに良く似たコミカルな感じのウエイターでした

とても混んでいてなかなか運ばれてこない

でも彼は忘れているわけではなくて 忙しく動き廻りながら

時々遠くからこちらを見て 目で謝るの

ウンウン大丈夫待っているから とこちらも目顔でにっこり

ようやく運ばれてきたカプチーノ 美味しかったな



昨日プロントで久しぶりに飲みました

寒かったから カップで手も温めながら

シナモンの香りがとても好き

そういえばあなたは お店でお茶飲むの嫌いね

いつもあなたと別れたあとで

一人でカプチーノ飲みにいくの 知らないでしょ



2001/12/28




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