朝起きると今日も良いお天気
といってもその変化は激しくて1日に1度くらいはちょっと降られるのが普通だけど　それも英国らしくて良いと思えるようになってしまった　
今日はストラトフォード・アポン・エイヴォンを発ち　バース　ストーンヘンジを経てツアーの最終目的地であるロンドンへ向かうことになっている
前を走るストラトフォードの観光バスも　さようなら

			ストラトフォード・アポン・エイヴォンから2時間半あまりでバースの街に到着 まず立ち寄ったのは「ロイヤルクレッセント」と呼ばれる18世紀に建てられた「パッラーディオ様式」の建築物 その名の通りクレッセント（三日月）のような優雅な弧を描いている堂々たる建物は　当時の上流階級の住居　別荘として使われていたそうだ まあ当時の豪華マンションというところでしょうか 広大な公園に隣接していて環境も抜群 現在でも家のひとつは「「ナンバーワン・ロイヤル・クレッセント」として当時の生活の様子を伝える博物館になっており　中央部分は高級ホテル「ロイヤル・クレッセント・ホテル」になっている 広い芝生で犬を遊ばせている人たち バカンスに来ているお金持ちなのかな・・・(ー.ー")

			賑やかなバースの街中へ ご存知の通り「バース」は「バス」お風呂の語源となったと言われている街である 18世紀の鉱泉ブームによりこの地に上流階級の人々が集まり　華やかな社交場として栄えたとある 街の建物は当時建てられた石造りの優雅な家がそのまま残っているものも多く　いつもながら今もちゃんと機能していることにつくづく感心してしまう 右下は「バース・アビー」　由緒ある教会です この建物は1499年に建てられたそうだからもう500年以上前・・ 8割が窓で覆われていることから「イングランド西部の灯火」とも言われているそうだ
そしてバースといえばなんといっても「ローマン・バス」 ローマ浴場跡が世界的に有名だ およそ2000年前　この地に侵入したローマ軍が温泉を発見 湯治場を作った 先住のケルト人の女神とローマ人の信仰した病を癒す女神（ミネルヴァ）がオーバーラップしたのか　浴場とともに女神に捧げるローマ式の神殿も建立された ローマが滅び　いつしかさびれて埋もれた浴場は18世紀になって再び脚光を浴び　発掘復元されて今に至っているというわけ 右はローマン・バスの入口 浴場の他に博物館やミュージアムショップなどがあり　隣のポンプ・ルームでは鉱泉が飲めるコーナーも まあ美味しいものではないですよね　(;^_^A

			現在でも毎日125万リットルの湯が湧き出しているそうだが　もちろんこの温泉に入ることは出来ない 緑色のとろりとした感じで　さわってみると温かい程度 浴場の上にはローマの神々だろうか さまざまな彫像が見下ろしている 背後にはイングランド中世のお寺 他民族が入り込むことは殆ど無かった日本と違い　欧州ではどこも色々な時代の色々な文化が入り混じっていることが実感される（というか歴史ある国で日本みたいなのは例外なのよね） 右下は発掘されたローマ時代のレリーフの一部 浴場跡や展示物を見るのに携帯オーディオガイドを貸してくれる もちろん日本語♪ 熱心に聴きながらじっくり見ればいいのだが　何故か私はそういうのって苦手で・・・　(;^_^A
こちらはミュージアム・ショップ 場所に関係なく　英国のこの手のお店にもつきものなのはテディ・ベア この国の広報担当という感じかな　(^o^) ここでは欲しいものはなく　見るだけでスルーだったけど　一般的にミュージアムショップというところはお土産にちょっと気がきいている　というものも多い 好みもあるだろうけど特に美術館内にあるものは目移りするほどで　今回は行かなかったけれど　ロンドンの大英博物館のミュージアムショップではさまざまな美術品のレプリカなどがとても魅惑的だった そういえば東京の美術館にもちょっと欲しくなるようものがたくさんある 尾形光琳の名画のハンカチとかね 食事の時膝に広げるとステキです

			ローマン・バスの見学を終え　さてお昼 レストランまでぶらぶらと歩く 左はエイヴォン川に架かる　アーチの美しいバルトニー橋 どこかで見たような・・と思ったらイタリア・フィレンツェはアルノ川に架かるヴェッキオ橋とよく似ているんでした ヴェッキオ橋の上は宝石店が並んでいたけれど　バルトニー橋の上にもお土産屋さんなどの商店が並んでいるそうだ 橋の上がアーケードって・・・日本じゃ見かけませんよね 本日の昼食はこんなお店で食べたこんなステーキ・パイでした ステーキというよりドミグラスソースのシチューに近い牛肉やマッシュルームなどをパイ生地でおおった　これも英国らしい料理 アツアツがビールとよく合って美味しい♪（この旅行中ランチタイムも必ずビールを飲んでいたわたくしです　(;^_^A ） もっとも英国では今もある階級の違いで食事の時間やスタイルも大幅に違うそうなので　どういう階級のどういう位置の料理なのかいまいちわからないけど・・・・ パブでよく出すようなので　やはり労働者階級のお料理なのかな・・
			各都市でよく見かけた2階建ての観光バス とても豪華な感じで開放感にあふれ　夏はさぞ気持ちがいいだろうけど　冬になったらちょっとツライものがあるかも・・・ バースの街にはバスならぬ馬車もまたよく似合う これも観光用なのかしらん 日本でいえば京都や鎌倉の人力車みたいなものかな バースを代表して　優雅な2頭のわんこたち 連れていた女性がまた妙齢の美しいご婦人でしたが　残念ながらお顔がカットされちゃってましたね〜（^m＾*） ところで今も温泉が湧くというバースだけど　実際に利用できるスパとか あるいは温泉のあるのがウリ！なんてホテルはないのかしらね 欧州では温泉はあくまで治療の一環である　というスタンスは変っていないみたいですね

			バースを出てからほぼ1時間 だいぶ前から何もない　草原の続く道路をバスは走っていたのだが 遠い野原の真ん中に何かある・・・と見えてきたのが世界遺産　ストーン・ヘンジだった その「何にもない中に忽然と」というのがとっても異様というか　ストーンヘンジの不可解さをのっけからいやがおうにも印象づける　という見事な演出というか・・・ 道路をはさんだ反対側に売店やミュージアムショップを併設したビジターセンターがあり　そこでチケットを買って地下道を通り　ストーンヘンジ側に渡るようになっている ここでもオーディオガイドが完備されているので興味のある人はじっくりと解説が聞ける それにしてもなんという見事な空だろう この不思議な建造物にこれほど合う空はないだろうと思ってしまった 建てられた太古の昔から　ずっとこんな風に雄大な雲が流れていたのだろうな・・・（写真ではちょっと私の力不足で迫力が無いですが・・）
ストーンヘンジはロープでぐるっと仕切られ　直接手を触れることは出来ないが　ナンバーのついた地点に立つと　その地点に関した解説が聞けるようになっている ともかく巨大なので　一回りするにもかなりの時間がかかるが　周囲をめぐるにつれ巨石群は刻々と表情を変え　太古の物語を語りかけてくるようだ 例によってろくに音声ガイドは聞かず　無心に眺めることに専念する 紀元前3000年から1500年の間に作られたというこのモニュメント　太陽や月などの天体の運行に関連する宗教儀式に使われたとかさまざまな説があるようだが　結局は誰が何のために　どうやって建てたのかはわかっていない だからこそよけいに神秘的であるのだが・・・
			左は「ヒール・ストーン」と呼ばれている石 巨石群から少し離れて立っている 冬至の日にはこの石から遺跡の中心を通る延長線上に日が沈むそうだ このストーンヘンジ　別にビジターセンターを通らないでも金網ごしに見ることは出来る 金網の上から乗り出して写真を撮っている人たちもいたけれど　やっぱりこれだけの価値ある世界遺産　チケットは維持のための寄付と思えばいいですよね
遺跡のまわりは上のように羊がのんびりと遊ぶ草原 ほんっとに何にもない しかしガイドブックを見るとこれでも自動車の騒音などが問題になっていて 今後10年計画で幹線道路の地下化や一部閉鎖が予定されており　さらに新しいビジターセンターを3キロほど離れた場所に新しく建てて駐車場を置き　遺跡へはそこからランドトレインで移動する予定だとか 現在イングリッシュ・ヘリテイジ　ナショナルトラスト　英国道路庁で構想　計画を進めているそうで さすがに英国　その徹底ぶりはすごい　 ここのミュージアムショップで　何にしようかと悩んでいた息子のお土産に ストーンヘンジのＴシャツをゲット リーズナブルであまりに実用的でありますが・・・(;^_^A

			さて本日の観光も終わり　バスは2時間あまりでロンドンに到着した ホテルはハイドパーク近くの「パークインハイドパーク」 立派な建物だがさすがにロンドンのホテルは狭い！ ついに私もシングル　それもスーツケースがどうにか広げられる　という狭さの部屋に　(･_･、) まあ今までが良すぎたんだから仕方ない（右下は部屋からの眺め） 明日はロンドン観光・・・じゃなくて〜〜！ 私は単身ツアーを離れ　最大の目的地であるハワースへ行くのだ さっそくロンドン市内にあるカード会社のツアーデスクに電話をかけ　明日の時刻表を確かめる ガイドブックにはキングスクロス駅からキースリーまで所要3時間ほどで1時間に1.2本の列車があるとのことだったがツアーデスクの返答を聞いた私は青ざめた なんと翌日は日曜日のため列車の本数が極端に少なく　ハワースに着くのは夕方になるとのこと そんな・・・朝早く出てお昼ごろには着けるだろうという計画はガラガラと音をたてて崩れてしまった・・・

いったいなんで休日に列車の本数が減るのよね！？
逆じゃないですか！と言ったところで空しく
結局あるのはキングスクロスではなくユーストン駅を10時に出てランカスターで乗り換え　キースリーに行くというもの
キースリーからはバスか夏なら蒸気機関車でハワースに行けるはず
ランカスターの乗り継ぎが悪く　キースリー到着は4時半になるという
何より10時のランカスター行きを逃したら明日ハワースへは行けない可能性が強い
ドジをやって乗りそこなったりしたら・・・
実はものすごく心配性のわたくし　その夜のディナーは殆どのどを通らず（まあポークで美味しくなかったし）
ロンドン最初の夜は不安の中に更けてゆくのでありました　（；。；）

トップに戻る